東爆のほほん話NEO



 緊張の一瞬 


 
朝、見たくない奴の顔を見てブルーな状態で始まった今日の仕事。こういう時は大体何かが起こる………。

もうすぐ仕事が終わるって時の乗務はちょっと気分が軽くなっている。だが一つ一つの基準作業の積み重ねが安全につながるわけで、手は抜けない(当たり前だ)。

ある駅で、妙な男が立っていた。電車のそばにいたのだがホームの中の方に歩いていったので再度安全を確認して指差呼称の上で客扉スイッチを「閉」にした。ドアは閉まり、再度安全を確認「側灯滅灯、発車」…そして運転士に対して「発車せい!」と言う意味のブザーを鳴らす。

電車は音もなく動き出した。するとさっきの男が電車に近づいてきて電車に触れた…

………「!」

車掌用の非常ブレーキを引く。運転士に連絡用マイクで「前から○両目、触車!現場に行くから指令所に無線連絡頼む!」…警笛を二発鳴らして駅に異常を知らせてから現場へ走る。さすがに久々の全力疾走だったのでもう前を見ないで前へ走るような形だった。

現場へ着くと…「?」誰もいない。

まさか電車の間とか電車とホームの隙間に落ちたとかじゃねーだろうなぁ?と思って探そうとしたら前の方で運転士が「階段上がって逃げたぞ!」と怒鳴っていた。階段を見ても当然姿なんかあるわけない。駅員が降りてきたのだが違う階段から下りてきたため姿を見ていないと言う。

「???」

狐につままれたような気持ちで最後尾の乗務員室に戻り、非常ブレーキを復旧して電車を発車させた。

とりあえずその列車の担当を終えて車掌区に報告したんだけど、報告を受けた上司も「なんじゃそりゃ」と言った感じに終始していた。
後で聞いたら、運転士も車掌(私)も男の存在を確認していたのに、駅の改札の係員は「そんな男階段上がってきてないよ〜」と言っていたらしい。


まぁその不審者が酔っぱらいかなんかで暴力沙汰やら人身事故やらになるよりはこういう形で終わる方がずっとマシなんだけどねぇ〜。被害者不在だから事故報告書も書かなくて済んだし(笑)。

どっちにしても疲れた一日だった。
 
2003/12/23 




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