東爆のほほん話NEO



 追悼文にかえて 


 
まだインターネットなんて夢にも出なかった十年前。世間では「草の根BBS」なるものが存在していた。俗に言う「パソ通」って奴。

当時とある草の根BBSに常駐とまでは行かないが良く出入りして仲間を作り、その仲間達とチャットをしたり、遊びに行ったりしていた。時には「ヒマか?」「うん」「じゃあ何時に○○で」みたいに勢いで物事を決めてラーメン食べに言ったりとか、カラオケ行ったりとか、伊豆の温泉に行ったりしていた。

気付けば通信を始めて十一年の時が過ぎ、彼と出会ってから十年になる。当時を知る人がいったいどれだけここを見ているだろう?

そんな仲間の中に「彼」がいた。
当時からハードワークの中、時間を見つけてはアクセスして皆と他愛もない話をしたり、掲示板に書き込みしたりしていた。

彼とは趣味や嗜好は全然違うのだが妙に波長が合い、気付けばチャットルームでン時間、なんて事もザラだった。そして彼には文才があった。日常をおもしろく表現する天才であったと今でも思う。彼が掲示板に書く文章に私は惹かれていた。

彼は4年前の私の結婚式の時も忙しいところを無理して来てくれた。そして結婚記念の掲示板に久々に彼が書いたメッセージは彼が相変わらずスゴイ奴だと思わせる内容だった。




今日、久々に彼と会う機会が出来た。





但し、私の前にいる「彼」は、もう動く事も、喋る事もない。祭壇に飾られた遺影の中で笑顔でいるが、遺影はあくまでも遺影でしかない。 











ネット関係者の結婚式や二次会に出たり、ネット結婚の夫婦にお子様が生まれたからと言って見に行ったりする事は何度かあったけど、まさかこんなに早く「ネット仲間の葬式」に参列しなければならなくなるとは思わなかった。

そこで会った昔の仲間からは病気がどうとか、家庭がどうとか、そういう話が出るようになっていた。バカ騒ぎして勢いだけで遊べたあのころの仲間はもういない。

焼香の後、席を辞する時、相変わらず笑顔の遺影を見て「早ぇーよ」と声をかけた。彼の耳に届いていれば、きっと彼はこうレスを返すだろう…「オーマーベラスッ!こんなんじゃダメですね。いや自分でも分かってるんですが。」(彼の掲示板にあった久々の書き込みから勝手に引用)


忙しく生きすぎた分、ゆっくり休んでくれ。俺が行くときになったら「あの肉」持って行くから。
 
2004/05/20 




M*DIARY by PrettyBook